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「経営支援とサポート」「遺言書・相続の相談や手続きと書類作成」の小林行政書士事務所(東京都板橋区中板橋)です。

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皆さまお住まいの近隣商店街は、賑やかでしょうか。

私は東京都北区在住ですが、近くの商店街ではシャッターが下り、「テナント募集」の張り紙がされている光景を見かける頻度が増えています。ひとりで頑張っていた個人書店さん、お団子が美味しい和菓子屋さん、昔ながらで頻繁に利用していたラーメン屋さん、ここ3ヶ月の間に店を閉めました。頻繁に利用していたのでとても残念です。なにが起こっているのでしょう。

経営者の高齢化と中小零細企業の経営実態

全国社長の平均年齢

 高齢化が進み、高齢社会に突入している日本社会。地域密着で戦後の成長を支えてきた小さな町工場や個人商店をはじめとした中小零細企業の社長。高齢化に伴い、当然に進んでいるであろう経営者(社長)の年齢状況を見てみましょう。

 下図は、2015年11月東京商工リサーチ-全国社長の年齢調査結果です。
代表者の写真 2015年時点、全国社長の平均年齢は60.89歳です。2010年以降2015年に至るまでの5年間で1歳弱しか高齢化していません。日本社会の人口高齢化や高齢者割合に比べれると、すこしビックリな数字です。

 若い起業家は減っていると言われています。世代交代、いわゆる事業承継はあまりうまくいっていないと言われています。それなのに、意外にも社長の高齢化のスピードは緩いです。

代表者の写真 さて、感の鋭い皆さまは、既にお気づきのことだと思います。

 次に企業に関する数字の中から、倒産件数の推移を見てみます。左図は、全国倒産件数の推移(東京商工リサーチHPより抜粋)です。

 各年でブレがありますが、特徴的なのは以下の2つです。
  @バブル崩壊後の1990年代中旬から2003年の間に倒産数が増えていること
  Aリーマンショックの2009年以降、倒産件数が減っていること
 細かい理由には触れませんが、倒産件数は減っているという推移です。

 なにか腑に落ちません。若者の起業数が減っており、倒産件数は増えていない、さらに事業承継による社長の世代交代も進んでいないとしたら、社長の平均年齢はもっと上がっているはずです。
どいうことなのでしょうか?

 実は、倒産企業数には、休業・廃業・解散は含まれていないのです。
 下図は、倒産件数に休業・廃業・解散企業数の推移を並べたものです。

代表者の写真
 一目瞭然ですね。
 倒産・休業・廃業・解散を合算すると、まさに企業を取巻く現在の経営状況がそのまま浮き上がっています。

 全国社長の平均年齢が思いのほか若いのは、休業・廃業・解散会社の件数と社長の年齢に何か関係と理由がありそうですね。

  @2015年の休業・廃業・解散件数は、2万6,699件(倒産件数8,812件の3倍)
  A倒産の減少ぶりが際立つなか、休業・廃業・解散は高水準を持続
  B倒産と休業・廃業・解散の合計は、リーマン・ショック直後の2009年(4万877件)
   には及ばないものの、依然として3万5,000件以上で推移


 以上の調査数字から、倒産に至る前に自主的に企業の活動を停止しているのではないか、事業の継続を断念している社長が増加しているのではないかということが考えられます。「先が見えない、これ以上悪くなる前に、自己防衛的に」という理由で会社経営をストップ(断念)している高齢経営者が増加しているということが推測できます。

 もう、小林さん!前段が長いよ〜!とお叱りを受けそうなので、結論です!。

経営者の高齢化と経営実態

代表者の写真 2015年の休業・廃業・解散した企業の社長の平均年齢は67.8歳です。社長の高齢化は、やはり進んでいたのです。

 東京商工リサーチによる調査では、「社長が70歳以上では、増収増益企業の割合が3割を下回り、赤字企業は年代別で最も高率を示しており、高齢社長の企業ほど業績改善が厳しさを増していると報告されています。

 社長も人です。高齢化に伴い、体力の低下は避けられません。昨今の厳しい経営環境下では、事業経営への気力や意欲を維持するだけでも高齢の経営者とっては大変なことだと思います。

 また、事業承継(世代交代)を図るにも、町の小さな会社では後継者になるべき子供が承継しないことに加え、後継者への配慮や心配から、経営者自身が事業承継に躊躇している現状があります。良い時でさえ、事業承継は一筋縄で行かないのが実情です。円滑でスムーズな事業承継は、いつの時代でも経営の大きな課題のひとつとなっています。

地味だけど優れた事業をもつ中小零細企業の復活への期待

代表者の写真 企業の究極の目的は「永続」です。
企業活動は、雇用・経済・生活の糧です。企業活動なくして経済の発展と生活の安定はあり得ません。

 とても地味だけれど、すばらしい商品や技術を持つ町の小さな企業が、社長の高齢や後継者不足を背景に姿を消していくことは、非常に残念でなりません。マニュアルにはない個性溢れる地域密着な町の小さな商店のサービスも、その人情味と泥臭さで光り輝いています。

 事業承継とは、企業の存続と同時に、後継者の手によって企業がさらなる発展を遂げていくことです。「見た目やイメージだけではない、派手さや綺麗さだけではない、地味だけれど優れた事業を守り後継者色に染めていくこと」「地域社会と強く結び付いていくこと」。こんなにやりがいのある素敵な仕事が、町の小さな中小零細企業には埋まっているのです。

 自らの判断や行動の結果が、自らにダイレクトに返ってきます。そんな、わかり易くて責任感を感じられる仕事ができるのも、小さな会社ならではの魅力です。

 そんなお宝を、若く力のある人達に発掘してほしい。見えてないだけで、いっぱいあちらこちらに埋もれているはずです。是非見つけて、そして、体力と勇気のある力に活躍してほしいです。(なんせ地味なので見ようとしないと見えない可能性が高いので、そこはあしからず。笑)

 人口の高齢化は止められませんが、経営者(社長)の高齢化と企業の衰退化は止められます。

 なぜなら、人の年齢は若返りませんが、企業は若返ることができるからです。





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